従軍慰安婦問題。国際感覚欠如の安倍。

 安倍首相が従軍慰安婦問題で(日本軍による)強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実」と発言した波紋が広がっている。
 反発しているのは中国、韓国、台湾等だけではなく、米国までが大騒ぎしている。日本の主人である米国までが。

 米国は何と言っているのか。ロサンゼルス・タイムズ紙は6日に「日本はこの恥から逃げることはできない」と題する大学教授の論文を掲載し、翌7日付の社説では「この問題を修復する最も適任は天皇本人」だと書いた。グリーン前国家安全保障会議上級アジア部長は、「強制されたかどうかは関係ない。問題は慰安婦たちが悲惨な目に遭ったということであり、永田町の政治家はこの基本的な事実を忘れている」と指摘し、日米関係にとってこの問題は、「牛肉輸入問題や沖縄の基地問題より危ない」と見ている。更に主人である米国のグリーン氏は、今後の日本がとるべき対応として、@米下院で(日本に謝罪を求める)決議が採択されても反論しない A河野談話には手を付けない B何らかの形で、首相や外相らが被害者に対する理解や思いやりの気持ちを表明する、の3点を挙げている。ここまで懇切丁寧に日本政府の取るべき対応策を教授していただけると言うことは、やっぱり日本はアメリカの属国と言うことだろう。完全に馬鹿にされているし、安倍が本当に馬鹿だと言うことである。日本の恥さらしである。天皇まで持ち出されるとは、安倍は完全に無能とみなされているということではないか。

 安倍の馬鹿な点を要約すると、以下のようになる。
@(日本軍による)強制性を裏付ける証拠の有無は、問題解決に全く関係が無いことに気が付いていない点
 そもそも常識的に考えて日本軍が強制していないはずが無いではないか。この証拠を探す論理は、水俣病等で因果関係を持ち出して問題を長期化、拡大化させた論理と同じである。さらに現に被害者がいたのは事実なのである。それ以上の何が必要だと言うのか。安倍は被害者達が自分から進んで慰安婦になったというのか。自分が発言していることの意味を理解しているのか。

A自分の発言の重大性を理解していない点
 日本が真に大国であるならアジアの国々から信頼され、リーダーシップの取れる国にならねばならない。中国には経済的には近い将来追い抜かれるのである。「美しい国、日本」などと小さな島国根性丸出しの器の小さいことを言っているようでは駄目なのである。なぜ、アジアの国々からいつまでも大戦中の日本の罪を追求されるのか、考えなければならない。この問題を更に後世に残してはいけない。これは日本にとって負の遺産である。安倍はこの問題を後世に引きずらせよう、曖昧にしてもみ消そうとしている。早く日本の何が悪かったのか、自ら真に解析し、謝罪し、二度と同じ過ちを犯さないように決心すべきである。そうしないとアジアの国々に対して日本は言うべきことも言えない国になるのである。北朝鮮の拉致問題を追及しようとしても逆に日本による朝鮮人強制連行を避難されるのである。北朝鮮のやっていることは出鱈目であるが、その反論にも一分の理がある。いつまで日本をこのような状態にしておくのか。東京裁判が理不尽だと言うなら、まず自ら太平洋戦争の総括をしなければならないのである。日本国憲法が米国の押し付け憲法であると言うなら、なぜ押し付けられたのか、日本に自ら反省し、総括する能力、自浄能力が欠如していたためなのだと言うことを理解すべきである。そして驚くべきことに日本は戦後62年経とうとする現在でも真に反省、総括していないのである。その反動の先頭に立っているのが安倍なのである。

B日本の評価を低下させた点。
 今回の件でなぜこれほどアメリカが騒ぐのか。アメリカは世界の警察であるから、世界中に軍隊を派遣し、治安を維持し、時にはアメリカに逆らう国を国連からどれだけ非難されても武力で潰したりしなければならない。アメリカも疲れるのである。日本は世界第2位の経済大国である。日本はアメリカの属国である。アメリカは、少しは日本にしっかりしてもらって、日本にアジア諸国を取りまとめてもらいたいのである。しかし、日本はアジア諸国と反目ばかりして、まとめるどころか、アメリカの意に反し、勝手なことをする国になっているのである。強がりたいのである。アメリカの属国ではないことを示したいのである。駄々をこねているのである。安倍は本当に日本をつまらない評価の国にしてしまった。この責任は重い。安倍首相には本当に愛国心はあるのか、と問いたい。

(2007年3月10日記)

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